最近、新型コロナウィルス感染症(以下「COVID-19」という。)の急速な拡散(いわゆる「コロナショック」)が、国内ファンドや年基金等の機関投資家による海外ファンド(off-shore fund)投資に影響を及ぼしているため、その影響について簡略に検討します。投資段階別に問題となり得る事項について予め点検し、これに備える対策づくりを行う必要があるものと思われます。

1. 海外ファンドに対する投資の準備段階

海外ファンドに対するデューデリジェンスの進行における問題点:COVID-19の影響により、多数の国家(2020年3月31日基準合計181ヵ国)が韓国居住者の入国を全面的に制限したり一定期間自宅隔離を行う等の義務を課しているなど、入国制限措置をとっています。そのため、海外ファンド投資のために予定されていた現地でのデューデリジェンス等が行われず、業務処理に支障が生じている状況です。これを受け、ファンド・オブ・ファンズ形式で海外ファンドに投資する韓国の運用会社としては、COVID-19の影響により、予定されていた現地デューデリジェンスを進めるのが難しい状況が長引くと、遠隔通信および現地運用社からの提供資料を検討するだけで、現地デューデリジェンスに代えることができるか否か等について検討することになると思われます。これについては、諸般の状況を考慮して投資家保護義務に関して判断する大法院(最高裁)判例からみると、一律的に代替方法を断定するのは困難であるため、投資対象資産の性格、海外ファンド運用社のトラックレコード、レピュテーションリスク等について検討した上、投資家保護における支障の有無等の具体的な事案別に検討および判断するしかない状況であるといえます。未だコロナショックの影響を見極めることができないため、保守的にアプローチするのが実務において安全であるといえます。

海外ファンド登録過程における影響:資本市場及び金融投資業に関する法律(資本市場法)において外国集合投資機構の集合投資証券を韓国内で販売しようとする場合には、該当の外国集合投資機構を金融委員会に登録しなければなりません(資本市場法第279条第1項参照)。現在、金融監督院はCOVID-19の影響により一部在宅勤務等を実施しているため、海外ファンド登録担当者の日程に従って登録審査期間が遅延することがある点にご留意ください。また、海外ファンド登録を進める場合、必要な添付書類として海外運用社が準備しなければならない書類等に関して、コロナショックにより現地での書類発給業務が中断していたり、公証が必要な書類に対する公証業務が中断される等の問題が生じているため、海外ファンドへの投資時点に関して該当運用社の管轄国家における業務遂行の可否と正常化する時点等を考慮しなければなりません

2.海外ファンドのLPAにおける考慮事項
3.国内投資家との間における投資家約定書上の考慮事項

 

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