韓国環境部は、2021年6月29日付で『電気・電子製品および自動車の資源循環に関する法律(以下「電子製品等資源循環法」といいます。)施行令』の一部改正案(以下「本改正案」といいます。)が、国務会議において議決され、2021年7月6日より施行されることを明らかにしました。本改正案は、2021年1月5日に改正され、2021年7月6日の施行を目前に控えている電子製品等資源循環法に対する後続立法として、未来廃資源拠点收去センター(以下「拠点収去センター」といいます。)の運営委託および再活用義務生産者および販売業者に対する過料の賦課金額を改正する内容について規定しています。

拠点収去センターは、電気自動車および太陽光普及拡大により増加している廃バッテリーおよび廃パネルの発生に備え、現在4つの地域(京畿始興、忠南洪城、全北井邑、大邱達曙)に設置されており、2021年8月の竣工を控えています。拠点収去センターは、電気自動車オーナーが返却した廃バッテリーを回収し、その残存価値を測定した後、民間への売却やリサイクル業者への供給を行うなど、未来廃資源再活用システムの流通基盤の役割を担う予定となっています。

本改正案が施行されることにより、拠点収去センターの運営業務を韓国環境公団が委託を受けて行うことになり、再活用義務生産者および販売業者が回収した廃電子製品を、許可を受けているリサイクル業者への引き継ぎを行わない場合、2千万ウォン以下の過料が賦課され得る場合もありえます。本改正案の主な内容およびその示唆点については、次のとおりです。

 

[1]本改正案の主な内容

区分 内容 備考
拠点収去センター運営委託 • 拠点収去センターの運営業務を韓国環境公団に委託 案第35条
過料賦課金額の改正 • 再活用義務生産者および販売業者が回収した廃電子製品を、許可を得ているリサイクル業者に引き継がない者:過料の賦課
- 再活用義務生産者:2千万ウォン以下(新設)
- 販売業者:3百万ウォン以下(既存)→2千万ウォン以下(引上げ)
• 違反回数別の過料金額は下記のとおり
一回目(違反) 二回目(違反) 三回目(違反)
600万ウォン 1,000万ウォン 2,000万ウォン
案別表8
第2号

 

[2]示唆点等

電気自動車普及が増えることにより、電気自動車の廃バッテリー再活用産業は、未来の革新産業として浮上するものと思われ、関連業界における関心の高まりと投資が行われていくものと予想されます。本改正案は、2021年12月までに試験的に運営されたのち、2022年から本格的に運営される拠点収去センターと関連し、その運営業務を韓国環境公団が委託を受けて行っていくことを骨子としています。これは結局、電気自動車の廃バッテリーの回収、再利用、再活用の促進に向け、国家主導の下、公共流通体系インフラを構築するというものとして、今後の拠点運営センターは、廃バッテリー等の未来廃資源の回収、性能評価、保管および民間への売却を担当し、廃バッテリー再活用産業の中枢を担う役割を果たすものと思われます。これに関連する利害関係者らの間における権限と責任の調整に関する議論が続くものと思われ、制度づくりに関する法令改正の動向を注視していく必要があります。

法務法人(有)世宗は、自動車・モビリティ専担チームを構成し、関連分野における多様な業務に対して広範囲なアドバイスをご提供させて頂いており、プロジェクト・エネルギー・グループを通じて、エネルギー企業らに対する高水準のアドバイス提供を行っています。廃バッテリー再活用事業を盛り込んだ自動車およびエネルギー関連の必要なご相談事項がございましたら、下記の自動車モビリティチーム所属弁護士の李用雨、プロジェクト・エネルギー・グループ所属弁護士の李相賢までご連絡ください。

 

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