個人情報保護法を含む「データ三法」の改定案(以下、「改定法律案」という。)が、2020年1月9日国会の 本会議を通過しました。改定法律案は、政府に移送され公布の手続きを経て公布日から6ヵ月後に施 行される予定です。これまで企業らの情報活用において最も大きな問題とされてきた「データ三法」が 規制緩和の趣旨で改定されることにより、今後企業らの個人情報活用事業において大きな変化がある ものと見込まれています。

今回の「データ三法」改定の主な示唆点は、以下の通りです

(期待効果)改定法律案は、企業らが4次産業革命の時代において核心的な資源であるデータを 活用できる根拠づくりに重点を置いており、これを通じて、企業らが様々な目的でより幅広く個人 情報を活用することが可能となり、ビッグデータ、AI等の関連産業の振興につながるものと見込 まれています。

(仮名情報の導入)改定法律案は、仮名情報の導入および個人情報の概念を明確にすることによ り、受範者の混乱を減らし、安全にデータを活用するための方法と基準等を新設し、データを基 盤とする新たな技術・製品・サービスの開発等の産業的な目的を含む科学的な研究・統計の作 成・公益的な記録の保存等の目的で仮名情報を利用することができるようにしています。

- 特に、行政安全部は「データ三法」が国会の本会議を通過した直後に報道資料を通じて、仮名 情報の導入により「個人の識別ができないように安全に処理されたデータ」を産業的な目的 の研究のために処理できるようにすることで、個人情報を保護するとともに、新技術の開発の ための実証・応用研究とスマートシティー・フィンテック等の新産業の発達が期待されると述 べました。

- また、個人情報、仮名情報、匿名情報の例示を発表しました(別添1参考)。これを参考にして 企業らは、今後仮名情報を活用した事業を行えるものと見込まれています。但し、別添の表は あくまで例示に過ぎないため、参考にはするものの、実際に仮名情報を活用しようとする場合 には、必ず該当事案による個別的かつ具体的な法律検討が先行されなければなりません。制 度の施行の初期には、判断基準が整っていないため、法的リスクの評価においてミスが生じる おそれがあり、政府の解説書、有権解釈および政策動向等を検討する必要があります。

(仮名情報の結合)改定法律案は、互いに異なる個人情報処理者が有している仮名情報を専門 機関を通じて結合できるようにしているため、企業らは、IT、ファイナンス、医療等の他の産業分 野におけるデータを活用し、様々な付加価値を生み出すことが可能になるものと期待されてい ます。

- 例として、保険会社が有している自動車保険情報と、通信事業者が有している運転習慣情報 を結合・分析し、運転スタイルに応じて保険料率を算出して保険料に反映する等、利用者に合 わせた保険サービスを提供したり、特定地域を移動した利用者の情報とカードの売上情報を 仮名で処理して結合した後、商圏を分析するサービス等の開発が可能になるものと期待され ています。

(データ活用政策)科学技術情報通信部は、「データ三法」改定案が国会の本会議を通過した直 後、後続措置として4次産業革命の時代における核心的資源であるデータの開放・流通拡大を推 進し、データ間における融合及び活用の促進を通じてデータ産業の育成を本格的に支援すると 明らかにするとともに、関連する全ての部処が参加する「データ経済活性化タスクフォース(TF)」 を発足して2月中に総合支援策づくりを行う予定であると発表しました。

(EUにおける十分性評価)「データ三法」の改定により、韓国がEUから十分性決定(adequacy decision)を受ける可能性が高まりました。今後EUから韓国への情報の移転が一層容易になる ものと期待されています。

(規制動向注視の必要性)改定法律案が国会を通過したものの、依然として個人情報の規制緩 和に反対する意見が多いです。今後改定案の解釈および適用に関しても規制緩和を主張する見 解と、個人情報を保護しなければならないと主張する見解が引き続き対立するものと思われます。

- 企業としては、正確なリスク判断を行いリスクを低減するために改定案の内容をより具体化す る政府の立場、有権解釈、解説書および判例等の解釈基準と規制動向を持続的に注視する必 要があります。特に、オンラインを含め個人情報保護の規制権限が個人情報保護委員会に一 元化されており、個人情報保護委員会の立場と動向が重要となります。

- また、両立可能性が認められ個人情報の活用が可能な範囲、仮名情報の結合の手続きと方 法、仮名情報の結合の専門機関と関連する事項等が大統領令により委任されており、法律の 改定に従った下位法令と関連指針の改定が行われる予定であるため、立法動向および議論 過程をモニタリングし、今後の影響を事前に検討して準備する必要があります。

法務法人世宗は、個人情報分野における独歩的な専門性と人的ネットワーク(金鎔浩(キム・ヨンホ) 元行政案全部次官、崔在裕(チェ・ジェユ)元科学技術情報通信部次官など)を擁しており、企業らのた めに個人情報保護法とGDPRをはじめとする国内外における個人情報の規制、個人情報漏洩事件へ の対応、個人情報保護コンプライアンス体系の樹立等、個人情報保護に関する専門的なアドバイスを ご提供しております。その他にも、放送・通信・ICTに関する規制動向の把握およびGR(Government Relations)業務、法制改善・立法コンサルティング、規制の影響力の分析と企業の戦略づくり等に対す るリーガル・アドバイスをご提供しておりますので、より専門的な内容やご質問等がございましたら、下 記の連絡先までご連絡ください。より詳細な内容について対応させて頂きます。

 

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