1.迂回取引に対する立証責任分配の合理化(国際租税調整に関する法律第2条の2第4項、同法施行令改正案第3条の2)

国際租税調整に関する法律(以下「国租法」という。)および租税条約の恩恵を受けるために不当に迂回取引をする場合には、経済的な実質に応じて直接取引をしたものとみなし国租法および租税条約を適用します。但し、そのためには、課税当局が「納税者が正当な事業目的がないまま租税回避の目的で迂回取引をしたという点」を証明しなければならないものの、課税当局は、納税者の域外活動に対するアクセスが制限的であるため、それを立証するに当たり様々な困難がありました。今回の改正規定は、課税当局の立証責任を緩和するものとして、迂回取引を通じ国内における租税負担が50%以上減少する場合には(但し、租税負担減少額が1億ウォン以下であり、迂回取引金額が10億ウォン以下である場合を除く。)、納税義務者が正当な事業目的等の租税回避の意図がないことを立証しない限り、租税条約および国租法の恩恵を不当に受けるためのものと推定し、実質課税を適用します。

2.国内未登録特許における使用対価の国内源泉所得課税体系の改善(所得税法第119条、第156条第1項、法人税法第93条、第98条第1項)

これまで、国内企業が米国法人に国内未登録の特許権に対する使用料(または侵害補償対価)を支払う場合、その使用料が米国法人の国内源泉所得に該当し、国内課税権が認められるか否かが問題となってきました。2008年の法人税法の改正時に、国内未登録の特許権等が国内において製造・販売等に使用された場合、国内における使用としてみなし、その使用料を国内源泉所得とする特例規定が新設されたものの、大法院(日本の最高裁に当たる。)は、上記の特例規定にもかかわらず、国内未登録の特許の使用対価が国内源泉所得に該当するか否かは、韓米租税条約に基づいて判断しなければならないという前提で、韓米租税条約の解釈上、国内未登録の特許権に対する使用料を米国法人の国内源泉所得として見ることはできないという趣旨をもって、一貫的に判示してきました。今回の改正は、上記の大法院の判決に対応して国内課税権を確保するためのものとして、(ⅰ) 国内未登録の特許を「特許権」ではなく、韓米租税条約における使用料の定義に含まれる「その他これと類似する財産・権利」と見て、その使用対価を国内源泉使用料所得として区分する規定を新設し、(ⅱ) 国内未登録の特許権に対する侵害補償対価は、「特許使用料」ではない「その他所得」として規定しました。また、租税条約において用語および文言について定義していない場合は、国税基本法第2条第2号に基づく税法にて定義するか、使用する意味に従って租税条約を解釈・適用するという規定も新設しました。課税当局は、このような改正により、国内課税権が確保されるという立場で課税を行うものと思われますが、国内未登録の特許権の使用料が国内源泉所得に該当するか否かは、韓米租税条約に基づいて判断しなければならないという従前の大法院判例等を考慮すると、韓米租税条約を改正せず、今回の国内税法の改正のみで米国居住者が受け取る国内未登録の特許の使用対価(または侵害補償対価)に対する国内課税権が認められるかどうかについては、今後議論されるものと予想されます。

3.その他の主な改正内容

 

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