原告は、2018年に系列会社を吸収合併し、系列会社が保有していた会員制ゴルフ場用の不動産を取得しながら、これは適格合併による承継取得であるため、旧地方税特例制限法第57条の2(減免規定)による取得税の減免対象であると主張しました。ところが、旧地方税特例制限法第177条(減免除外規定)では、地方税法第13条第5項による不動産を減免対象から除くものと規定しています。ならびに、地方税法第13条第5項第2号は、取得税の重課税率の適応対象不動産の一つとして会員制ゴルフ場用の不動産を規定するとともに、各号以外の部分において既存のゴルフ場を承継取得する場合には、重課税されないという旨の規定を定めています。これにつき、関税官庁は、本件の会員制ゴルフ場用不動産が「第13条第5項による不動産」に当たり、取得税の減免対象から除外されると主張していました。
法務法人(有限)世宗は、原告を代理し、(i)上記の減免除外規定は「地方税法第13条第5項による不動産」であると規定しているため、租税法律主義の原則上、上記の減免除外規定を解釈する際「地方税法第13条第5項の各号以外の部分」も適用されると解釈すべきであること、(ii)上記減免規定の趣旨は、合併による財産譲受が財産の形式的な移転に過ぎないという特殊性を考慮し、取得税を免除して合併による構造調整を支援するためのものであること、(iii)ただし、上記減免除外規定は、地方税法第13条第5項にて取得税が重課されるものと定めておいた場合についてまで減免規定を適用するのであれば、取得税重課の意味を没却するものであるから、減免規定の適用を排除するための趣旨であること、(iv)課税官庁の主張のごとく解釈すると、本件減免除外規定は勿論のこと、本件減免規定の趣旨にも反する結果をもたらすということ等を強調し、(v)会員制ゴルフ場用不動産や関連する減免除外規定の複雑な法令改定の経過を深く分析し、このような主張を裏付けることができる明確な論理構成に尽力しました。
その結果、上記減免除外規定を解釈するとき、地方税法第13条第5項各号以外の部分が適用されないものと限定して解釈すべき根拠がなく、よって、取得税の重課税対象から除外される本件会員制ゴルフ場用不動産には、減免除外規定が適用されず、結局、減免規定が適用されるという法院(裁判所)の判断を引き出すことができました。このような一審、二審の法院の判断につき、課税官庁が上告しなかったため水原高等法院の判決が確定したことにより、原告は合併に関連して納付した莫大な取得税の払戻を受けることとなりました。
本件は、租税法律主義および関連規定の立法趣旨等を根拠に、会員制ゴルフ場を承継取得する場合には、旧地方税特例制限法上の減免除外対象に当たらないという法院の判断を導き出したという点で意味があり、さらに、一般的な減免および減免除外規定に関する解釈論とそれに対する争いに重要な先例になるものと思料されます。
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