韓国政府は、2020年10月20日国務会議を開催し、「男女雇用平等と仕事・家庭の両立支援に関する法律」を改正し、雇用における性差別や職場でのセクハラにつき、被害者に対する労働委員会の救済手続を取り入れる改正案を審議・議決しました。最近、#Me Too事件により職場セクハラが多く問題になっていますが、今回の改正案が国会を通過することになれば、他の解雇や差別事件と同様に、労働委員会において職場セクハラに関して本格的に議論されるものと予想されます。詳細は以下のとおりです。
1.雇用での性差別・職場セクハラ被害に対する事業主の措置義務不履行に関する労働委員会における救済手続の新設
現行法においては、雇用上の性差別や職場でのセクハラ被害に対して、事業主の措置義務不履行に対してのみ処罰しており、被害を受けたかかる労働者が直接その是正や救済を申請する方法がありませんでした。しかし、今回の改正法は、被害を受けた労働者が、被害に関して労働委員会にその是正を直接申請できるものとしており、その実効性を保障するため、多くの関連資料を有している事業主が、立証責任を負うものと定めています。
2.雇用における性差別と職場セクハラ被害に対する事業主の措置義務不履行への労働委員会の是正命令
労働委員会は、雇用において性差別が認められた場合、差別行為の中断、就業規則・団体協約等の労働条件の改善、適切な賠償等を骨子とする是正命令を行うことができます。また、職場セクハラの被害者に対する適切な措置義務の不履行または不利な処遇を行ったものと認められる場合、適切な措置の履行、不利な行為の中断、賠償等を骨子とする是正命令を行うことができます。
3.是正命令に対する実効性保障方法の確保
改正法は、雇用における性差別や職場セクハラ被害に対する労働委員会是正命令の執行力を強化するため、労働委員会が事件を終結したときには、管轄の地方雇用労働官署の長に対してその結果を報告するものとしており、雇用労働部長官は、事業主に対して、確定した是正命令の履行状況の提出を要求できるものとしています。事業主が、是正命令を履行しなかったり、雇用労働部長官への履行状況提出に応じない場合には、事業主に対して過料が科されることがあり、是正申請を行った被害労働者は、事業主が是正命令を履行しない場合、これを雇用労働部長官に申告することができます。
4.雇用における性差別からの労働者保護の拡大
改正法は、雇用労働部長官が雇用における性差別を認めた場合、職権により、それに対する是正を要求できるものと定めており、それに加え、雇用における性差別に対する是正命令があった場合、かかる是正命令の効力を、被害当事者以外に差別を受けた他の労働者についても拡大することにより、雇用における性差別から労働者を保護する範囲を拡大しました。
上記のような法改正に先立ち、各事業所では、職場セクハラを予防するための教育を徹底するとともに、職場セクハラの発生時における措置規定やマニュアルの整備が必要になるものと思われます。
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