概要

  • 韓国憲法裁判所は2025年4月4日、憲法裁判官8名の満場一致により尹錫悅大統領に対する弾劾審判において、罷免の決定を下した。これにより尹大統領は、弾劾訴追案の国会通過後から111日ぶりに大統領職を失い、結果、4日から60日内に後任大統領選挙が行われ、大統領選挙の翌日に当選の如何が確定され次第、当選者が大統領職に就任することになる。
  • 今後約2ヶ月間、「民主党」と「国民の力」(党名)のいずれも、大統領選挙キャンプを結成し、本格的な大統領選挙に乗り出すものと予想される。国会と政府の主な関心が大統領選挙に集中するものと予想されるが、「民主党」と「国民の力」いずれも、米国との通商摩擦を懸念していることを考慮すると、今回の大統領選挙における主なマニフェスト項目として、通商問題への対応策が強調されうると想定される。
  • 今後、政権の変更または延長となったとしても、できるだけ友好的な規制環境が助成されるよう、2025年4月、5月の間、(i)与野における大統領選挙キャンプの動向把握および主な政策のモニタリング、(ii)必要に応じ、各キャンプに政策建議書の提出、(iii)新政府発足後の主要人事の動向把握を通じた今後のエンゲージ・ロードマップ作成等の業務に備える必要がある。

 

今後の予定

  • 憲法裁判所による尹大統領に対する罷免決定は、即時に効力を生じ、憲法に基づいて60日以内に後任の大統領選挙を行わなければならず、これにより当選する大統領は、当選確定後直ちに大統領として就任することとなるため、選挙日の翌日から任期開始となる。
  • 大統領選挙日は6月3日となる可能性が高く、各党の大統領候補は4月末から5月初旬までに確定されるものと予想される。
  • 上記のような日程を考慮すると、(i)4月から5月初旬までは、各党の党内選挙を通じた大統領候補の選出、(ii)5月初旬から選挙日までは、各党の大統領候補らの本格的な選挙運動が展開されるものと予想され、この過程において各党の選挙政策が発表されるものと展望される。

 

予想されるスケジュール

  • 4月14日まで 
    • 選挙日の確定(選挙日から50日前に確定)
  • 4月18日頃
    • 「民主党」と「国民の力」での党内選挙 
  • 5月9日頃 
    • 大統領候補者の登録
  • 5月12日頃
    • 大統領選挙運動期間スタート
    • 各党の主要政策の発表および本格的な選挙活動の実施
  • 6月3日頃(予想) 
    • 大統領選挙
    • 大統領選挙翌日の明け方に、大統領当選者確定次第、大統領の任期開始となり、大統領職引継委員会なしに直ちに新政府が発足
  • 6月から7月初旬
    • 各部署長官と大統領室の構成等の主な人事関連の決定


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