環境部は、2021年7月23日から2021年9月1日まで、40日間の生活化学製品および殺生物製の安全管理に関する法律(以下「殺生物製法」という。)の施行令および施行規則(以下改正施行令と総称して「本改正案」という。)を立法予告しました。本改正案は、2021年12月31日の施行を目前に控えている殺生物製法(以下「改正殺生物製法」という。)に対する後続立法として、改正殺生物製法によって新たに導入された「殺生物製品被害救済制度」を運営するために必要な細部事項について規定しています。

今回のニュースレターでは、新たに施行される殺生物製品被害救済制度および本改正案の主な内容について検討させて頂きます。

 

[1] 殺生物製品被害救済制度

改正殺生物製法に基づく殺生物製品被害救済制度は、加湿器殺菌剤のような殺生物製品の使用により、予想できなかった生命または健康上の被害が発生する場合、政府が被害者に対しては救済給与を支給し、当該殺生物製品の製造・輸入業者に対しては、殺生物被害救済分担金(以下「分担金」という。)を賦課することを骨子としており、主な内容については、下記のとおりです。

支援対象
  • 製造物の欠陥がある殺生物製品(以下「原因製品」という。)への露出により被害を負った者とその遺族
対象疾病
  • 呼吸器、循環系、内分泌系、生殖系、皮膚・目・鼻等に発生し得るすべての疾病
救済給与の範囲
  • (生存被害者)診療費、障害一時補償金
  • (死亡被害者遺族)葬式費用、死亡一時補償金、未払いの診療費
行政制裁
  • 原因製品の製造・輸入業者における負担金納付義務の負担
他救済手段との関係
  • 救済給与対象者が同様の事由により別途損害賠償を受け取った場合、当該損害賠償額の限度内において救済給与の支給制限
  • 救済給与対象者が同救済給与の支給を受けた場合、救済給与の限度から民法等に基づく事業者の損害賠償責任が免除

 

[2] 本改正案の主な内容

本改正案は、(i)被害等級等の救済給与の給与基準、(ii)原因製品の製造・輸入業者に対して賦課される分担金の算定方法および減額・免除の基準、(iii)救済給与の支給決定手続き等に関して具体的に規定しており、その主な内容は次のとおりです。

イ.救済給与の給与基準

支給対象 支給項目 支給規模*
生存被害者 障害一時補償金* 8,800万ウォン(一等級)
6,336万ウォン(二等級)
4,224万ウォン(三等級)
2,112万ウォン(四等級)
診療費 被害者負担金の全額
死亡被害者 死亡一時補償金 4,154万ウォン
葬儀費用 277万ウォン
未払い診療費 被害者負担金の全額

* 支給項目別の支給金額は、国民基礎生活保障法に基づく基準の中位所得に法定比率を乗じて算定することとなり、本ニュースレターの金額は、2021年基準の中位所得を基に算定したものである

 

ロ.分担金の算定方法および減額・免除の基準等

改正殺生物製法においては、被害規模と原因製品の使用・販売割合を考慮し、次のような算定式に基づき分担金を算定するものと規定しており、本改正案では、分担金算定時に除外される対象および分担金の減額・免除の対象について、より詳細に規定しています。

<分担金算定式>

分担金=一人当たりの支援予想額×被害者数×
(原因製品使用割合×2.5)+(原因製品販売割合×1)
3.5

 

ハ.救済給与の支給決定手続き等

本改正案によると、救済給与の支給決定の手続きは次のとおりであり、環境部は、当該手続きの運営に向け、製造物等の瑕疵および当該瑕疵と被害の因果関係等を調査する殺生物製品被害調査団を新たに構成・運営し、被害救済の判定および再審査を担当する専門委員会を新設する予定です。

<救済給与支給決定の手続き>

被害受付 調査団による調査
(製品瑕疵、因果関係、疫学調査等)
専門委員会による検討 管理委員会*による
審議・議決
救済給与の支給

 

[3] 示唆点

改正殺生物製法および本改正案に基づく殺生物製品の被害救済制度の場合、調査団の調査、専門委員会の検討および管理委員会の審議・議決の手続きを前提とし、製造・輸入業者は、救済給与の支給決定により、救済給与の支給が行われる場合に限り、事後的に分担金の納付義務を負うこととなります。障害一時補償金の場合、最大で一人当たり8,800万ウォン相当が支給され、一般的な生活化学製品の場合、その使用者の規模が非常に大きいという点から、場合により、個別に企業が負担すべき事後分担金の規模も莫大なものになり得ます。

本改正案を検討してみると、因果関係および疫学調査の際、製品の欠陥と被害における相関関係が認められるか否かにより、事後の分担金の負担の有無および分担金の規模が異なってくるものと予想されます。これにつき、各企業においては、日常的に運営過程における殺生物製法の遵守に向けたコンプライアンス体系の構築と共に、殺生物製品の被害救済制度に関連する段階別の対応システムづくりを行うことが重要であるといえます。

なお、このような殺生物製品被害救済制度は、民事上の損害賠償請求とは別個のものとして、被害者は、救済給与を支給された後でも、被害者が殺生物製品の欠陥によって被った全体の損害額から、支給された救済給与分を差し引いた限度内においては、製造・輸入業者に対して別途の損害賠償請求も可能であるという点に留意する必要があるといえます。

上記の内容につき、ご質問等がございましたら、下記の連絡先までご連絡ください。より詳細な内容について対応させて頂きます。

 

※ 法務法人(有)世宗のニュースレターに掲載された内容および意見は、一般的な情報提供の目的で発行されたものであり、ここに記載された内容は、法務法人(有)世宗の公式的な見解や具体的な事案についての法的な意見ではないことをお知らせ致します。